先日、ある方とお話をしている際、その方はうちはBPRを進めているんだがと、その見解を求められました。その背景はすっ飛ばしますが、劇的な変革を求められているあるIT組織のお話でしたので、いまさらBPRかよ・・・と残念に感じたのを覚えています。
旧世界のITでは、ビジネスプロセスと業務をコンピュータでデータとロジックで表現して実行できるようにし、業務の効率化、生産性向上を目指しました。そして様々な業務プロセスを順にシステム化するうちに、ダブってしまっていたり、連携できていなかったり、それを補完するために余計な業務が発生し、そのためのシステムをまた導入したりなど課題も出てきました。そのためBPR(ビジネスプロセスリエンジニアリング)という言葉が出てきて、いっぺん棚卸してきれいにしましょうという概念が出てきたわけです。
一方、今はデジタルトランスフォーメーションという言葉が出てきています。旧世界のITからやってきた方々は、今までのBPRをデジタルトランスフォーメーションとはき違えてBPRの実行を加速することが現在求められている変革であるという間違ったところに陥りがちです。もちろんBPRは場合によっては必要になってきますし、デジタルトランスフォーメーションに包含される部分もあるかもしれません。しかし、混同してしまうと真の変革はできません。
例えば、SFDCでセールス用の顧客情報を持っているのに、カスタマーサポートの別システムの顧客情報と連携されておらず、フロントの営業がそのお客様が抱えている課題を把握できない。担当営業がカスタマーサポートセンターに電話をして顧客の抱えてるトラブル情報を聞き出して顧客との対応を把握しようとするが、カスタマーサポートはフロントの営業との連携は本来の業務ではないので足蹴に扱い、営業は顧客が現在抱えている課題に関して適切に顧客との会話ができない。結果、顧客満足度が低下し、次の商談を逃してしまった。。
こんな課題があったとします。
今までのBPRであればどうしたでしょうか?SFDCとカスタマーサポートの顧客DBの顧客IDを結合させて、SFDCからカスタマーサポートの対応内容を検索、時系列に一覧表示、顧客への報告書をボタン一つで自動生成できる。こんな感じでしょうか?
では、デジタルトランスフォーメーションの領域であればどのようなことが実現できるでしょうか?
MIT CISRの元リサーチャーのJeanne Rossはデジタルトランスフォーメーションについて次のように述べています。
1.デジタル技術、テクノロジーのの破壊的創造:最新の技術を積極的に最大限活用する。
2.デジタル戦略:上記技術とマーケットに最大のスピードをもってビジネス戦略を常に適合させる。。
1.に関しては、Social、Mobile、Analitics、Cloud、IoTという要素にフォーカスするべき、2.に関してやるべき事は、ビジネスモデルの変革とGoToMarket(顧客視点のエンゲージメント、売り向かう戦略)の変革、そしてそれを支えるエクセレントなオペレーショナルバックボーンとデジタルサービスバックボーンの構築と謳っています。
BPRに比べると、技術やアーキテクトへの理解と、その積極的な取り込み、そしてビジネスのプロセスレベルではなく、ビジネスの戦略自体を変えようというもっとハイレベルなトランスフォーメーションであることがわかります。
例えば、先の例でいうとデジタルトランスフォーメーションではどのようなことが実現できるでしょうか?
顧客は購入した製品の動作状況はインターネットを通じて自動的にメーカのカスタマーサポートサイトに通知され、顧客が不具合を知る前にメーカー顧客担当から電話もしくはSNSへの連絡がきて対処策を提案されます。顧客は自社に導入した製品の動作状況のみならず、製品を利用したビジネス効果の分析をメーカーが提供するインターネットサイトから取得できます。サイトはAIチャットシステムがあり問い合わせができます。チャット時に担当者が在席時はWeb会議にも接続でき簡単にコミュニケーション可能です。顧客担当は営業担当、サポート担当と部署を分かれておらず購入からサポートまで矛盾なく、対応してもらえて、大変満足度が上がっています。
ビジネスの期末には、導入後のビジネス効果分析の結果、次のビジネス課題が見えてきて、その解決策および経営層への提案書をメーカー顧客担当とWeb会議で一緒に作成・・・・経営層の提案日にはテレビ会議で新ソリューションをすでに導入した事例会社のCIOが特別に参加し、事例を紹介・・・・
こんな世界が実現されるかもしれません。
ビジネスモデルの変更、組織の変更、そして、最新のテクノロジーの知識とビジネス戦略の劇的な変更が必要になります。単なるBPRでは実現できないでしょう。
ロッキャオンネットワークスでは最新のテクノロジーの知識とアーキテクチャをもとに企業のデジタルトランスフォーメーションをご支援します。
現在2021年1月まで、キャンペーン中にて初回のヒアリング、ディスカッションおよびビジネスマイルストーンの落とし込み、とテクノロジーマイルストーンの簡単なラフスケッチのご提案まで無償で実施させていただくことが可能です。
ぜひ、ご気軽にご相談ください。
ロッキャオンネットワークス
草川秀人
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