皆さん、ビデオ会議はなにを使ってますか?
クラウドベースのビデオ会議システムはZoomやWebEXなどがありますよね。
無料枠がありますが利用時間や人数に制限等あります。
やはり制限があると使い物にならないので、おそらくビジネスユースでは有償版となりますよね。
ZoomのProだと月額2000円ですので、50人社員がいると、年額120万円。5年で600万円。正直、馬鹿にできない金額です。
じつは無料で使えるjitsi(ジットシーと発音)はあまり日本では知られていません。
Jitsiはオープンソースのビデオ会議システムのプロジェクトです。最近のWebブラウザで実装しているWebRTCという技術を使うために特にクライアントのアプリをインストールせずにWebブラウザのみでサクサク動きます。もちろんiOSやAndroidなどのスマートデバイスにも対応しています。(こちらはJitsiアプリが用意されています。)
Jitsiを利用するにはいくつか方法があります。
1.Jitsiのクラウドサイト(https://meet.jit.si/)を利用
2.Jitsiのアプリケーションを自社サーバにインストールして利用
3.Jitsiをカスタマイズしてサービス提供している会社に頼む。
1.は無償枠では時間制限なし、人数は50人までということで実質制限なしの形で利用可能です。ただ、レコーディングはできません。
2.はアプリケーションはオープンソースですのサーバとネットワークさえあれば動作します。とくに、実際のビデオや音声はP2Pでサーバを介さずクライアントとクライアント間での通信となるため、サーバ負荷がそれほどかかりませんので、AWS、Azure、GCPなどクラウド上で最小限のサーバを立ち上げて利用することも可能です。また、オープンソースをカスタマイズ可能で、自社のHPやアプリケーションに組み込んだり、自社の認証基盤に連携させてセキュリティを強化したりなど様々対応が可能になります。
3.は2を丸投げするAs a serviceのモデルですが、クラウドの運用に比べて自社の専用のインスタンスを作ってもらえるサービスであれば、よりセキュリティを確保した形で運用が可能になります。
弊社ではJitsiを2のスタイルでAWS上のサーバで構築、運用しています。運用は自社で行っていますので、コストはAWSのサーバの費用だけでほぼゼロ円を実現しています。とてもサクサク動きますし、なんの支障もありません。とってもいい感じです。
今回は、某社様とビデオ会議の時に「この会議システムなんですか?」と弊社のビデオ会議システムに興味を持っていただいたりしましたので、ちょっと取り上げてご紹介してみます。
■サクサク動く。
WebRTCベースなので、Webブラウザで動作します。ものすごく軽いです。映像の品質も申し分ありません。Webブラウザがマイクとカメラをつかむ必要がありますので、初めて接続する場合は許可をするという操作が必要ですが、インストール等手間が必要なく、だれでも簡単に利用できます。
■セキュア。
P2Pの通信の実装でエンドツーエンドの暗号化(DTLS-SRTP)が可能になっています。(2名の時のみ)3名以上の場合は、サーバを一旦介す仕様になっていますが、サーバで複合化して、再度暗号化していますが、通信内容を保存していないため、セキュリティが確保されています。( 参考WebRTC Security Architecture draft-ietf-rtcweb-security-arch-20)
また、クラウドベースの会議システムと違って自社運営となるとユーザ認証やIPアドレスなどでアクセス制御またはVPNなどを併用することによりより強固なセキュリティ実装が可能になります。
■自社の認証と簡単連携。LDAPやSAMLSSOも可能
インスタントWEB会議という位置づけですが、認証コンポーネントを動作可能で、会議が作成できるモデレーターは認証をさせることが可能です。
Jitsi内にユーザを登録することも可能ですが、外部のLDAPやSAML連携も可能になります。
■カレンダーとの統合が可能。
Google Workspaces やOffice 365のカレンダーとの連携が可能です。上記SAMLと連携するときっとシームレスな環境ができるでしょう。
■コードがオープンに提供されているのでカスタマイズ自由。APIを利用して自社アプリを作りこむこともできます。
■SIP Gatewayがあるので、SIPのシステムとの連携やPSTNから音声のみの会議参加も可能
■Tip1 レコーディングにひと工夫必要
Jitsiはレコーディング機能を持っています。Jibriというレコーディングの機能をサーバ側に立ち上げてサーバ側でレコーディングする機能です。
こちらはレコーディングごとにインスタンスを利用しますので、複数の会議それぞれでレコーディングをするとそれだけの数のインスタンスが必要になってしまいますので、規模が大きくなると現実的ではありません。
ローカルPCに保存できるレコーディングの機能はありますが、現在は、音声だけです。WebブラウザのChromeのエクステンションアプリでWebRTCをレコーディング機能があり、こちらを利用するとサーバ側への実装はなくてビデオと音声を録画録音できます。(利用者側のインストールや操作などが必要になります。)また、レコーディングと同様にYoutubeなどを利用したStreaming配信との連携も可能になりますので大規模講演や配信なども可能になります。
■Tip2
他のビデオ会議システムも同様かもしれませんが、クライアントの環境に依存する部分は多分にあります。
クライアントの通信状況が悪く、パケットロスが発生すると使い物になりません。とくに在宅で会議中に電波の環境が悪いときなど顕著です。
JITSIでは通信品質を画面上見ることができますが、1%のパケットロス環境だと音声は飛んでしまいますので、よろしくないです。
また、FWやIPSを介しているような環境の場合、トラヒックの深い検査などをしているとパケットロスが発生してしまう場合もあるようで、検査の除外設定など必要になります。
以上、jitsiの簡単な紹介でした。
jitsiはクラウドベースの有償アプリとほぼそん色ない機能を実現できますし、カスタマイズすることでより
セキュアな環境や、自社とシームレスな環境を作ることができます。
また、スタートアップや中小企業で費用を押さえたい所は最小限で立ち上げて、コストを下げて実現することも難しくないと思います。
もし、jitsiを検討される場合は、ご支援することも承っておりますので、弊社ロッキャオンネットワークス株式会社にご相談いただければと思います。
また、ツールの導入とかの前になにをしたらいいかわからんからそこから相談に乗ってほしいというお話も承れます。
現在、コロナをトリガーに新世代の業務スタイル、コミュニケーションインフラを活用したワークスタイルが求められています。コロナが収束しても生き残るためには必ず必要な領域です。新しいスタイルで顧客、社内のコミュニケーションを確立する。必要最小限なツールをスピード感をもって安価に導入することが必要です。
弊社では経営視点で成長と儲かるための、次世代の働き方、リモートワークを中心としたコンサルティングを行っております。
ビジネス視点での分析からITツールの導入までご支援させていただきます。
1.次世代の働き方、リモートワーク、セキュリティ対策のあるべき姿の作成のご支援
2.現状とのFIT&GAP分析のご支援
3.ITグランドデザイン、ロードマップ、計画立案ご支援
4.IT機能要件への落とし込み、RFP/RFI対応、PoC、予算計画のご支援
5.設計、導入、教育と、インテグレーション、保守運用。